スターサウンズ4稿「砂漠の薔薇」の翻訳の中で、「永遠について語った言葉や詩が、あなたがたの世界にはあふれています…」というくだりがあります。

私はこれを読んだ時に、故・中島らも氏の本の中で「一瞬の中の永遠」という言葉を読み、甚く共鳴したことを思い出しました。
どの本だっけなあ…と探してみたら「永遠も半ばを過ぎて」という本でした。

20代の頃に中島らもさんにハマった時期があり、本も全部ではありませんが結構持っていましたし、彼が主催していた劇団「リリパット・アーミー」も下北まで見に行ったりしました。
あとらもさんは音楽もやっていたから、ライブにも行ったり。ちょっとミーハーですね笑

「一瞬の中の永遠」って、一瞬の時間の中に永遠が流れている、
すごくロマンティックだなあってその時に思ったのですが、時間の流れは直線じゃないとかも言いますし、今回のスターピープルが言っているように、らもさんもその真実を受け取って、言葉にしたのかなと思います。

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らもさんは他にも素敵な言葉もたくさん残していて、もう一つ私の気に入っている言葉をご紹介します。

〜一部引用〜
暗い気持ちになって、冗談にでも、”今、自殺したら”などと考えているときに、とんでもない知人から電話がかかってくる、あるいは、ふと開いた画集か何かの一葉の絵によって救われるようなことが。
それは、その日の天使なのである。
-中島らも著「その日の天使」より

私は天使とかを勉強していなかった20代の頃は、らも氏のこういった言葉に救われるなあって思った記憶があります。
でも天使の事を勉強してみると、これも真理だなということが分かりました
らもさんはふとした瞬間に、天使や見えない存在のメッセージ等も受け取っていたのではと思います。

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らもさんって、今でいうところのHSPだったんじゃないかなあと思います。
当時はそんな言葉もなくて、らもさんが傾倒していた当時の流行でもある「セックス・ドラッグ・ロックンロール」の世界からすると、繊細な感性なんてちょっとかっこ悪いって見られたのではないでしょうか。
しかも彼がバリバリ働いていた70〜80年代は「巨人の星」や「おしん」等が流行った根性論・精神論の時代。
心が弱いなんて言いづらい、しかも男性であれば尚更でしょうから…
だからドラッグやアルコールの世界に溺れて、自分をなくしていくのが楽だって思っていたのではないでしょうか。

2004年にらもさんが亡くなった後に奥さんの書いた暴露本みたいなのが出て、私も読んでみたのですが、かなりめちゃくちゃな生活を送っていたんだなあと…
暗澹たる気分になり、彼の残した素晴らしい作品たちは「表・光」の部分、奥さんの書いた本は「裏・らも氏の深い闇」を見たようで、それをきっかけにらも氏の本は手放してしまいました。

ですが今回思い出して、またいろいろネットを徘徊して(笑)らもさんの獄中記(1回大麻で捕まってます)「牢屋でやせるダイエット」を注文してみました。

近くにいる人が誰からもさんを救ってあげられなかったのか、などなどいろいろ思うところはありますが…
全ては彼の選んだ人生、52歳で亡くなるって決めて生まれてきたのかはわかりませんけれど、亡くなる少し前にらも氏が何を思い感じていたのかを、改めて読んでみようかなと思います